これを、待っていた

 伊藤計劃未完の遺作『屍者の帝国』を、芥川賞作家で故人と繋がり深かった円城塔が書き継いだもの。
 伊藤計劃円城塔も触れたのは最近なので、生粋のファンの方の待っていた度に比べたら軽薄なものなのだろうけれど。しかし楽しみだった! 
 19世紀イギリス。フランケンシュタインの技術が一般化している、という世界。主人公は、シャーロック・ホームズに出会う以前の若きワトスン。彼が見込まれて連れて行かれたのはナンと英国情報部。ご丁寧にちゃんと表向きはユニバーサル商会。後の007の上司たるMの初代(かどうかは知らんけど)はマイクロスト・ホームズ! ・・・・と、伊藤計劃が書き残した数十ページだけで、本当にウソのように僕のツボにハマる要素だけで出来ているような作品世界だった! これを期待するなと言う方が無理でしょう。しかも書き継いだのが円城塔なのだから! 
 読む前からこうやって書いてしまうくらいだから期待の大きさはご想像できようかと。今読んでる『リトル・シスター』も通勤でしか読めないのでまだ半分くらいなのですが、可能な限りスピードアップしましょう。ああ、早く読みたい!!